活動内容・組織・メンバー
2019年4月より大阪府移行期医療支援センターは、
下図の体制の基、様々な活動に取り組んでおります。
※クリックで各項目へ移動します。
センターの目的・ポリシーは、大阪府移行期医療支援センターのページをご覧ください。
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1移行期医療の啓発活動
- (1)ホームページを充実させ、できるだけ多くの関係者に利用してもらえるように情報発信する。
- (2)移行期医療についての研修会・学習会を医療関係者に対して開催。
- (3)小児科学会及び大阪母子医療センター移行期医療支援委員会の資料をベースに小児診療科・成人診療科に周知する資料を作成し、モデル疾患を選んで、具体的な移行支援の実際を提示する。
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2小児診療科と成人診療科との連携体制を作り、生涯管理に向けた医療支援の検討
- (1)各学会の移行期医療に関するガイドラインを整理し、紹介する。
- (2)疾患別に成人診療科と連携し、移行期医療に取り組むカウンターパートの成人診療科を増やす働きかけを行うとともに、そのリストを作成・公表する。
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3発達段階を考慮した自律・自立支援による移行支援の検討
- (1)発達段階を考慮した自律・自立支援の在り方について、広く意見を集め検討する。
「子どもの療養行動における自立のためのめやす(大阪母子医療センター作成)」PDF
等を利用し、患者・養育者・医療者など多職種のロードマップとなる長期的移行計画の作成・運用を検討する。 - (2)大阪版移行期医療のための自立支援マニュアル(仮称)を作成し、広める。
- (3)就学・就労支援
移行期医療を見据えた発達段階を考慮した自律・自立支援のためには、医療提供と共に、就学・就労支援も必要であり、大阪府の就学・就労支援機関と連携し、就学・就労相談会などの情報を発信する。
- (4)アセスメントツールを用いて、患者の状況を多職種で共有化することを検討する。
- (1)発達段階を考慮した自律・自立支援の在り方について、広く意見を集め検討する。
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4移行期外来運用のサポート
移行期外来は、患者に長期的移行計画を示し、自立的な行動が取れるよう多職種が連携し患者・養育者を支援するための外来である。この外来は移行支援の実践の場であり、この運用をサポートする。
(なお、一般移行期外来と転科困難疾患に対する特殊移行期外来があります。詳しくは大阪母子医療センターの活動をご覧ください)
看護外来との連携を行い、発達段階を考慮した自律・自立支援を推進し、転科困難例に対しても多職種・多機関・小児診療科・成人診療科等とのネットワークを作り、シームレスな移行支援を実現させる。 -
5コーディネーターの役割について
- (1)患者・養育者・医療・福祉・教育・保健等の諸機関と共に、主として移行困難症例に対する発達段階に合わせた長期的移行計画を作成・管理する役割を担う。
- (2)連携機関のリスト管理など他機関連携を担い、移行期医療支援の輪を広めていく。
- (3)コーディネーターの役割を移行期医療支援センターが担う。
大阪母子医療センター内に検討部会を設置し、各グループに分かれ活動を行っています。
- G1: 啓発活動、HP制作
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ホームページでの情報公開等を通して、小児診療科にも成人診療科にも移行期医療を知っていただけるように努めます。
- G2: 連携成人科医療機関リスト作成
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移行期医療の現状把握のため大阪府下の小児科を標榜する医療機関への現状調査を実施し、その結果を踏まえ、成人診療科への現状調査を行い連携リストの作成を行います。
- G3: 関係学会ガイド収集及び疾患ごとの移行期支援の検討
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小児科学会および関連学会からの移行に関する提言、ガイドラインの収集を行い、移行を要する疾患ごとの受け入れ施設の紹介や併診のモデルパターンの提示を行います。
- G4: 自立支援運用マニュアル
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患者が病態や治療を理解し、自律的な行動がとれるようにするための支援を目指し、発達段階に合わせ、病気を抱えながら自立していくことを記した
移行支援シート「子どもの療養行動における自立のためのめやす」PDFをもとに、多職種で子どもや養育者の支援を行えるような指標の作成を検討します。
- G5: 移行支援アセスメント
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移行困難例における移行期外来においては、適宜、生活状況の把握と適応行動の指標として「VinelandⅡ適応行動尺度※1」、生活の質(QOL)に対する主観的な評価をみるものとして「WHOQOL26・小学生・中学生版QOL尺度※2」 、「TRAQ※3」を使用しています。それらの結果を看護師や医師による移行期外来に活かすとともに、継続して評価を行い、支援による変化を見ます。
- G6: 就労支援社会参加の検討
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就労支援機関等から情報収集を実施します。
- G7: 移行困難例の移行期支援
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移行困難例に対し、専門診療科との連携、成人期特有の疾患(生活習慣病、がん、脳卒中、心筋梗塞等)への対応法などを検討し、成人診療科との連携の形を模索します。
G5 指標の概略
- ※1 VinelandⅡ適応行動尺度
- VinelandⅡの「適応行動」とは、「個人的、また、社会的充足に必要な日常活動の能力」と定義されていますが、“能力”そのものではなく、その行動の”遂行“によって評定されます。つまり、たとえ知識や潜在的な能力として獲得されていても、必要な時にその能力を発揮できなければ、適応行動としては不十分と評価されます。
この尺度は、0~92歳と幅広い年齢の対象者に適応できます。回答するのは、適応行動の評価対象本人ではなく、本人の日常を熟知する成人、つまり、親やその他の養育者です。
評価する領域は、コミュニケーション領域、日常生活スキル、社会性領域、運動スキル領域の4つで、それぞれに、2~3の下位尺度があります。また、不適応行動の尺度として、内在化問題、外在化問題、重度の不適応行動の項目も用意されています。
- ※2 QOL尺度
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WHOQOL26(18歳以上)
本人の主観的な幸福感や生活の質を測ります。身体的領域、心理的領域、社会的関係、環境領域の4領域のQOLを問う24項目と、QOL全体を問う2項目の、全26の質問項目があります。
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小学生・中学生版QOL尺度
子どものQOLを包括的に測定します。身体的健康、精神的健康、自尊感情、家族、友達、学校生活の6つの領域で構成されています。子ども本人が、5段階で回答します。
小学生・中学生版QOL尺度には、親用もあります。親からみた子どものQOLを測定します。子どものQOL尺度と同じ内容で、親からみた子どもの状態を6領域24の質問項目を、5段階で評定していただきます。
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- ※3 移行準備状況評価アンケート(TRAQ)
- 小児期発症慢性疾患を持つ思春期以降の患者が、「薬を管理する」「予約を管理する」「経過を観察する」「医療者と話す」の4領域23項目に対し、5段階方式で自己記入し評価するアセスメントツールです。
回答の合計が高得点であるほど、疾患の自己管理や自立した受診行動ができると評価でき、移行準備状況が出来ていると評価できます。」
移行期医療推進会議は、小児期発症慢性疾患の患者に対し、自立支援の在り方を検討し、小児期医療から成人期医療の移行を円滑に行い、生涯にわたり適切な医療が提供できるように、大阪府移行期医療支援センターの運営を推進します。
推進会議は、移行期医療支援センターの行う次の事項について所掌します。
- (1) 小児期発症慢性疾患児等の現状、課題の整理
- (2)小児期発症慢性疾患患者への就労支援を含めた自立支援の促進
- (3) 移行期医療の啓発活動
- (4) 小児科と成人診療科との連携により、適切な生涯管理を提供する体制作り
- (5) 学会がまとめた疾患ごとの移行支援ガイドなどを集約し公表
- (6) 移行期医療の現状や課題の集約と大阪府難病児者支援対策会議への報告
- (7) その他、会議の目的達成のために必要な事項
大阪母子医療センターでは、小児期発症慢性疾患児(者)の移行期医療支援を円滑かつ効率的に実施するため、大阪母子医療センター内に「移行期医療支援委員会」を設置しています。
委員会は、小児期発症慢性疾患児(者)の移行期医療支援体制を確立するため、大阪母子医療センター内の医療体制及び生涯管理体制の整備を行い、大阪府の設置する移行期医療支援センターの活動について、協議を行います。
活動内容
- 通院中の20歳以上の成人患者の実態調査
- ①自立支援 ②新生児科から小児科への移行の検討 ③移行困難例の支援体制
- 大阪府移行期医療センターの活動への助言・連携
- 疾患別移行体制の検討(二分脊椎、先天性腎疾患、結節性硬化症、先天性心疾患、てんかん、性分化疾患、総排泄腔遺残症・外反症など)
- 移行期外来での検討(先天性心疾患・性分化疾患・総排泄腔遺残症)